人が生れて悩みを受けるのは、 火の子が上に飛ぶにひとしい。
人が生れて悩みを受けるのは、火の子が上に飛ぶにひとしい。
火種から勢いよく炎が吹き上げるように、 人は罪と不幸に向かってまっしぐらに進むのだ。
それなのに、人間は生まれれば必ず苦しむ。 火花が必ず上に向かって飛ぶように。
人が生れて悩みを受けるのは、/火の子が上に飛ぶにひとしい。
女から生れる人は 日が短く、悩みに満ちている。
地上の人には、 激しい労務があるではないか。 またその日は雇人の日のようではないか。
われらのよわいは七十年にすぎません。 あるいは健やかであっても八十年でしょう。 しかしその一生はただ、ほねおりと悩みであって、 その過ぎゆくことは速く、われらは飛び去るのです。
すべての事は人をうみ疲れさせる、 人はこれを言いつくすことができない。 目は見ることに飽きることがなく、 耳は聞くことに満足することがない。
そもそも、人は日の下で労するすべての労苦と、その心づかいによってなんの得るところがあるか。
そのすべての日はただ憂いのみであって、そのわざは苦しく、その心は夜の間も休まることがない。これもまた空である。
なにゆえにわたしは胎内を出てきて、 悩みと悲しみに会い、恥を受けて一生を過ごすのか。
あなたがたの会った試錬で、世の常でないものはない。神は真実である。あなたがたを耐えられないような試錬に会わせることはないばかりか、試錬と同時に、それに耐えられるように、のがれる道も備えて下さるのである。